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ピラミッド労働者とは誰か その5

古王国時代のエジプト軍については、わからないことだらけです。

常備軍なのか、戦時に召集されるのか。

職業軍人なのか、普段は農業に従事しているのか。

ひとつ言えることは、下エジプトの農業は、ピラミッド労働者たちは、恐らく通年で働いていたらしい、ということです。

ピラミッド労働者が通年で働いて、そこそこ恵まれた待遇を受けているのに、軍隊は召集時のみの寄せ集めということは、考えにくいのです。


ではもし常備軍だったとして、戦時以外は何をしていたでしょうか。

ひとつは国境警備でしょう。もうひとつは、王宮の警護、みっつめは国内の治安維持。


このうち、ふたつめの王宮の警護の規模が気になっています。


どれくらいの人数だと思われますか?


古代ですから数万は多過ぎます。


数百では、通常警護はできても、いざという時には少ない気もします。


数千、それも1千人から3千人程度がしっくりくるのです。


しかし、王宮近くに駐屯していたとして、圧倒的に強かったエジプトです。

訓練以外にすることがない。


屈強な男たちは、日々たくさん食べ、飲みます。

出費はかさむばかり。


身体を動かし、組織的に動き、王に忠誠を誓い、収入に結びつくものをつくる。


ピラミッド労働者として、軍人がいちばんしっくりくるのです。


そうでなければ、王宮警護の近衛部隊とピラミッドの両方合わせて、五千人以上を通年養わねばならなかったということになります。

私は、こう考えます。当時のエジプト軍は、軍隊であると同時に船乗りであり、ローテーションで平時にはピラミッドを建設していた、と。

統制のとれた、しっかりした指揮系統なしには、ギザのピラミッド群は建設しがたいと思うのです。

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ピラミッド労働者とは誰か その4

ピラミッドなど作っても何の役にたつ、そう考える人は、ウンム・エル・カブから出土した大量の食器を見て欲しいと思います。


初期王朝時代の王墓やピラミッド複合体には、しばしば倉庫が付随しており、かなりの容量がありました。


貢納を受けていたのです。


道路や船などのインフラは、建設したとしても収入を生み出しませんが、ピラミッドは収入を生み出し続けたのです。


実際今でもエジプトに多大な経済的貢献をしていますが。


ピラミッド労働者たちは、戦争で得た家畜資産で雇うことができ、かつ長期に渡って収入を得る装置を建設したのです。


例えば二十万頭の家畜は、一頭が十万円の価値たったとして二百億円の価値があったとします。


家畜の平均生存期間が五年だったとすると、年に40億円分の5歳の家畜は、有効に肉として生かすべきです。


一人2万円の日当で五千人を動員しても年に36億円です。


完成後のピラミッドは、恐らく年に4万頭以上もの家畜を貢納されはしなかったでしょうが。


つまり、かけた以上の利益は得られなかったのです。


しかし、別の利益があったと私は考えるのです。
労働者たちは、同時に「軍隊」ではなかったのか、と。






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ピラミッド労働者とは誰か その3

「ピラミッド公共工事説」

というのがあります。


ナイル川氾濫期の失業対策だというわけです。


つまり、下エジプトの失業対策ですね。


ですが、スネフェル王の凱旋で、より深刻な失業は、上エジプトにおいて起きたはずなのです。


彼らを放っておけば、反落が起きるでしょう。王宮の直営牧場が襲われるかもしれません。


対外戦争に協力しないかもしれません。


スネフェル王のとき、エジプトは一気に資本が有り余る状態になったのです。王朝は富の分配をする必要がありました。


王の資本は、家畜に多くを頼っていました。家畜は不動産ではなく、数年間のうちに消費しなくてはなりません。


無駄に死なせては勿体無いので、毎年自然に家畜が死ぬ数は、しっかり肉にして何かと交換すべきであり、子を成して数を増やすのが資産を増やす方法です。


王朝は、然るべき資産をどのように運用しようとしたのか。


ニューディールならば、巨大なインフラに投資したでしょう。


しかし、エジプトでは、違いました。


ピラミッドを作らせたのです。



そこには、とんでもないメリットがあったわけです。



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ピラミッド労働者とは誰か その2

内陸部の上エジプトと大デルタ地帯にある下エジプトでは、主たる農業の形が違います。


下エジプトは、ナイル川の氾濫を利用した農耕であり、上エジプトでは牧畜でした。


ファラオが胸の前で交叉させるヘカは牧童の杖で、ネケクは殻竿です。

ヘカは上エジプトを象徴し、ネケクは下エジプトを象徴しました。


つまり、スネフェル王が獲得した多数の家畜と、その面倒をみる多数の捕虜が現れたことで、ある現象が起きたはずです。

労働力のデフレ、「人余り」です。


とくに影響があったのは上エジプトです。


安い労働力である奴隷が家畜の面倒をみました。恐らくは、と殺解体も行いました。


すると、上エジプトにおいて、牧童の仕事は、すっかりなくなってしまったのです。

捕虜たちは、たいがい母国で牧童だったでしょう。


捕虜の流入により、上エジプトでは主力産業である牧畜の担い手が、もろに影響を受けたのです。


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ピラミッド労働者とは誰か その1

第4王朝創始者でクフ王の父であるスネフェル王は、

メイドィムの崩れピラミッド、屈折ピラミッド、赤のピラミッドという3つの巨大ピラミッドを建設しています。


使われた石材の量を比べれば、最大のピラミッドであるクフ王のピラミッドをはるかに凌ぎます。

その謎について、今回は考えたいと思います。


パレルモストーンには、奇跡的に数年間のスネフェル王の治世の記録が若干残っています。


スネフェル王は、遠征によって、多くの家畜と捕虜を獲得しました。


このことが、複数の巨大ピラミッド建設と関係がある、少なくともその可能性がある、と私は考えました。


まず、家畜のために放牧場が作られました。恐らく、捕虜の仕事のひとつは、家畜の世話です。


ピラミッド労働者は、案外待遇の良い生活をしていたことがわかっていますので、今では奴隷が建設に駆り出されたわけではないことがわかっています。


しかし、ピラミッド労働者の大半はスラスラ字が読めるほどの知識階級ではありません。


彼らは、誰、なんでしょう?



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ピラミッドとセド祭 その2

「ピラミッドを造るのに何年かかったか」

という問いがありますが、もしかすると、

「≒在位期間」
かもしれないのです。


ピラミッドは、上下エジプト王しか建設できません。

貴族や王子ではダメです。

ということは、王に即位しないとつくれないし、死んだら次の王がピラミッドをつくりはじめますから、長くは建設できません。


当然、王の在位期間を睨みながら建設工事を始めるわけで、


「とりあえずこれくらいの施工期間でここまでつくろう」

という計画が無かったはずがないんです。


無かったら、万一王が崩御した場合に、未完成の土台だけということになってしまいます。


また、早めに完成させたらそのまま、ということもなかったと思うのです。

まず、ピラミッド建設者の仕事が途切れます。すると技術が途絶えます。
ピラミッド建設のために税を集めることができなくなります。

より大きな、或いは贅を凝らしたピラミッドを建設するチャンスを失います。

「上下エジプト王だけの権利」を止めてしまうことになります。


だから、ピラミッドは、区切りを目安にしつつ、王が長生きしそうだと考えると、増築していくわけです。


私は最近、衛星ピラミッドは、在位終わりの方のオマケではないかと考えるようになりました。あまりにも本体ピラミッドに近すぎて、本体ができてから建設されたように見えるのです。



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ピラミッドとセド祭 その1

「セド祭」は「王位更新祭」とも言われる重要な行事でした。

たとえば、のちにピラミッドと入れ替わるように盛んに建てられたオベリスクは

セド祭のときに建てられました。



「百万回のセド祭」という表現もありました。王の治世が長く続くようにとの祈りの言葉です。

「さざれ石の巌となりて苔の生すまで」に似た表現です。



そのセド祭とピラミッドとは関係があると私は考えています。



王が即位すると、すぐにピラミッド建設ははじまりました。

即位する前には建てられません。

エジプト王は原則的に男性ですが、

女系継承ですから、継承権のある王家の女性と結婚しない限り、

王位を継ぐことができません。

いくら長男であっても、王位を継承できる確証はないのです。


いったんピラミッド建設がはじまれば、

王の治世が長くなるように、国民は祈ります。

王は信仰の対象でもあったからです。



では、ピラミッド建設は、いつ終わったでしょうか。

王が没する前でしょうか?

どうもそうは思えないのです。

ピラミッドの多くは、途中で増築や計画変更をしています。


明らかに、時間さえあれば大きくしたかったようです。


つまり、もし諸条件がおなじなら、

在位期間が長いほどピラミッドは大きくなるのです。



さて、そのピラミッドのとりあえずの竣工時期と、

増築などを決めるタイミングを考えますと、

セド祭の時期より適切なものはありません。



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